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2022年2月10日
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一分の一 気まぐれ通信
「二月堂のお話」
寒い二月の真っ最中ですが、「二月堂」という言葉を聞いたことはありますか?
「二月堂」とは、あの歴史の教科書にものっている「東大寺」の中にあるお堂の一つです。しかも東大寺の中には、「三月堂」や「四月堂」まであるのです。そして、奈良の大仏さんのある大きなお堂は大仏殿とよばれますが、「金堂」というのが正式名称です。
この二月堂ですが、三月にたくさんの人が訪れます。どうして三月に二月堂にいくの?と思われるかもしれませんが、それは「お水取り」というとても有名な行事が二月堂で三月にあるからです。
大きな松明(たいまつ)に炎が灯されて、それを持った僧が火の粉を落としながら舞台を歩きます。春の訪れを告げる行事として、1300年近く途切れることなく続けられて、たくさんの人々を魅了してきました。
ところで「二月堂」のある「東大寺」というのは、歴史の授業で必ず習います。743年ごろ、伝染病が大流行し多くの人びとが病に倒れていました。さらに飢饉(きが・食糧不足)や地震災害も重なり、国内はこのとき史上最悪の状況となっていました。
そこで、聖武天皇は、大仏造立を決意します。大仏にお祈りすることで、災いを乗り越えるという発想は、当時の人々にとっての最善の手段だったのでしょう。医療や化学が発達した現代では、理解されないことですが、国のみんなで一生懸命に一つのこと祈るというのはとても大切なことなのかもしれませんね。
さて、最後に少しミステリアスなお話ですが、「二月堂」には関係者さえお目にかかれない絶対秘仏・十一面観音があります。どんなお姿かまったく不明の仏像で、写真すらなく、誰も見たことがないのです。
秘密の仏像がこれまで1300年近く守られてきたなんて、信じられないですね。